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石童丸の母に感謝♪関西フィル初出演オペラ会員ら

平安時代の親子哀話・石童丸物語の女性ヒロイン千里御前(ちさとごぜん)の命日にあたる3月24日、その菩提寺である西光寺(さいこうじ)の学文路苅萱堂(かむろかるかやどう)=和歌山県橋本市学文路=で、「没後853年御遠忌(ごおんき)法要」が営まれた。創作オペラ「石童丸物語」公演を続けるアマチュア劇団「はしもとふるさとオペラ」会員や地元住民ら約50人が集まり、千里御前の「御霊(みたま)安かれ」と祈った。
「石童丸物語」は、筑紫の国(福岡県)の領主が、苅萱道心(かるかや・どうしん)と称して高野山で修行。道心が出家後、2番目の夫人(側室)・千里が生んだ一子・石童丸が、父と会いたさに、千里とともに高野山をめざす。女人禁制のため、母を山麓の宿「玉屋(たまや)」に残し、道心に出会うが、修行中の道心は父と名乗れない。落胆した石童丸が「玉屋」に戻ると、千里は心労のため急逝。石童丸は道心の弟子とにり、仏道修行するが、生涯、父子の名乗りはできなかったというストーリー。
この日、田野賢朗(たの・けんろう)住職ら僧侶3人が読経。檀家総代の畑野富雄(はたの・とみお)さんや、学文路苅萱堂の顧問の岩橋哲也(いわはし・てつや)さん、創作オペラ「石童丸物語」のプロデューサー小嶋彩子(こじま・さいこ)さんら約30人が参列して合掌、千里御前の冥福を祈った。
今年はアマチュア劇団「はしもとふるさとオペラ」=澤村テル代表=が、橋本市民会館で開かれた関西フィルハーモニー管弦楽団の第18回「ニューイヤーコンサート」に初出演して大成功。
今回は学文路苅萱堂・顧問で俳人の岩橋哲也(いわはし・てつや)さんが、その成功を讃えた自作の俳句「親子愛 管弦楽団 初演奏」の短冊を澤村代表に贈呈、澤村さんの二女の小嶋さんが代りに受け取った。
岩橋さんは「ふるさとオペラの皆さんの合唱は素晴らしく、私たちも涙して聴きました。学文路に伝わる石童丸物語を、多くの人々に知っていただけるのは、澤村代表のご尽力のお陰です」と話すと、小嶋さんは「この心のこもった短冊は、母の部屋に飾り、大切にしてもらいます」と謝辞を述べていた。
また、本堂では表に向って、詩吟の賀城流(がじょうりゅう)総師範・松原靖城(まつばら・せいじょう=本名・壮治=たけじ)さんが指導する「学文路詩吟サークル」メンバーが、石童物語を表した構成吟「石童丸」を朗々と初披露、大勢の参拝者が聴き入った。
最後に本堂・縁側から「餅まき・お菓子まき」が行われると、子どもを含む善男善女たちが、雨あられと降る餅やお菓子を拾って、歓声を上げていた。
写真(上)は学文路苅萱堂で営まれた千里御前の没後853年御遠忌(ごおんき)法要。写真(中)は「澤村代表に」と小嶋彩子さんに俳句・短冊を贈る岩橋哲也さん。写真(下)は楽しい雰囲気いっぱいの「餅まき・お菓子まき」。


更新日:2017年3月25日 土曜日 00:00

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