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仏様と衆生は同床♪節分会に学ぶ~妙楽寺と定福寺

和歌山県橋本市東家の嵯峨天皇勅願所・真言律宗「妙楽寺」=岩西彰真(いわにし・しょうしん)住職=で、2月3日夜、節分会(せつぶんえ=星祭)が営まれ、善男善女が今年1年間の無病息災を祈った。
岩西住職が善男善女と共に般若心経を唱和。「高野山家宝暦(かほうれき)」を配り、そこには各自の生まれ年で「吉凶」を示していることを説明した。
その上で、「仏と衆生(しゅじょう)と同じく解脱(げだつ)の床に住す 此(こ)もなく彼(ひ)もなく無二(むに)平等なり」(弘法大師)をホワイトボードに記し、「仏も六道=地獄、餓鬼(がき)、畜生(ちくしょう)、阿修羅(あしゅら)、人間、天道=輪廻(りんね)=生死を繰り返す=の衆生も、仏様と共に住んでいる」と紹介。いつ、どこででも、心穏やかに過ごしてほしいと解説した。
この後、岩西住職の母・康子(やすこ)さんら女性たちが鬼の面を被った3匹の鬼に向って、「鬼は外、福は内」と大声を張り上げ、枡(ます)の福豆を浴びせかけると、鬼たちは「参った」「参った」というふうに退散。さらに善男善女は、夜の闇に向っても豆まきを続け、心に福を呼び込んでいた。
一方、昨年秋、世界遺産に追加登録された黒河道(くろこみち)入口にある、同市賢堂の定福寺(じょうふくじ)=生地清祥(おんじ・せいしょう)住職=では、「祝 世界遺産…」の横幕を掲げた参道や境内に、地元の「ふる里の山に花をの会」の山本洋久(やまもと・ひろひさ)さんらが作った約150基の竹灯ろうを立てて、本堂で「厄除け星祭護摩」を営んだ。
生地住職が檀家総代や菩提親(ぼだいおや)の計8人とともに、約200軒から集めた「お札」を前に、厳かに理趣経などを唱和。家内安全や交通安全など、「願意届け」と祈った。
最後に岩木斌(いわき・たけし)総代長が本堂入口に立ち、堂内と堂外に向って豆をまくと、竹灯ろうの火が大きく揺れて、自然豊かな黒河道入り口の「立春前夜」の趣(おもむき)を呈していた。
写真(上)は善男善女と共に皆の無病息災を祈る妙楽寺の岩西住職。写真(中)は節分会で豆の嵐を浴びて躍り上がる鬼たち。写真(下)は「祝 世界遺産…」の横幕脇の参道を照らす竹灯ろうの列=「黒河の会」山本一清会長が撮影提供。


更新日:2017年2月4日 土曜日 00:00

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