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慈尊院の倉庫損傷!犯人半年ぶり謝罪、安念住職許す

和歌山県九度山町の高野山真言宗・女人高野別格本山「慈尊院」の倉庫が、何者かの車に当て逃げされ損傷していたが、このほど〝犯人〟が電話で「私がやりました」と謝罪し、安念清邦(あんねん・せいほう)住職が「よく名乗り出てくれました。もうあなたの罪穢(つみけが)れは消えました」と許して1件落着した。
安念住職が今年6月、同院駐車場で自分の乗用車に乗ろうとしたところ、駐車場わきに新しく設けていた倉庫(金属製)の下部分が、大きくへこんでいた。
当時、戦国武将・真田幸村ゆかりの九度山は、NHK大河ドラマ「真田丸」放送で大賑わい。慈尊院の駐車場も車で混雑し、何者かに当て逃げされたらしいが、長らく〝犯人〟はわからないままだった。
安念住職は「たいした損傷ではなく、文化財でもなくてよかったが、それにしても現代人には〝良心の呵責に問われる〟ということはないのかな」と至極残念に思っていた。
すると、このほど30~40歳のおとなしい男性の声で、慈尊院に電話がかかり、安念住職が受話器をとると、「私はハンドルを誤って、車を倉庫にぶっつけてしまいました。それ以来、ほとんど眠れず、今は体調を崩しています」と、つらそうに白状した。
安念住職は「よかった、よかった、よう電話をくれましたね。もう、お名前を言わなくてもよろしいですよ。これで罪穢れも消えましたから、何も考えず熟睡してください」と諭すと、男性は「ほんとうに済みませんでした」と、丁寧に謝罪して電話を切ったという。
安念住職は「失敗は誰にでもあります。最近はつまらない事件が多いですが、どうか本来の日本人の素直な心を取り戻してほしいですね」と話していた。
写真(上)は慈尊院・山門をくぐる安念清邦住職(左)=高野山開創1200年記念の関連行事で。写真(中)は車に当て逃げされた倉庫の損傷部分。写真(下)は慈尊院の山門風景=向こうは多宝塔。


更新日:2016年12月28日 水曜日 00:00

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