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「紀ノ川の少女=前畑秀子」熱演♪橋高演劇部に大拍手

和歌山県橋本市古佐田の県立橋本高校・演劇部は、橋本市名誉市民で日本人女性初のオリンピック金メダリストの前畑秀子(まえはた・ひでこ)さん(1914~95年)の少女時代を描いたオリジナル演劇「紀ノ川の少女」を橋本市民会館で上演した。前畑さんと家族の愛、苦悶、歓喜の物語で、鑑賞した同校の大先輩で「みそや呉服店」の谷口善志郎(たにぐち・よしろう)社長(78)は「すべて見事であり、胸を打たれました。ぜひ、この演劇は後輩に受け継いでほしいです」と希望を話していた。
同部は今年10月の田辺市の紀南文化会館で開かれる「和歌山県高校演劇祭」出場を目指し、7月から郷土の誇り・前畑さんの少女時代の資料を収集、脚本作りや、猛稽古を重ね、演劇祭では優秀賞を獲得した。
今回、橋本市・同市教委・前畑秀子朝ドラ誘致実行委員会が「オリンピック優勝 前畑秀子80周年、古川勝60周年記念 講演会&シンポジウム」を開催。その一環として同校演劇部(1、2年生15人)が「紀ノ川の少女」を上演した。
舞台は部員が材料調達・製作した「豆腐店」と染め抜いた暖簾(のれん)や、外から見える竈(かまど)、大きな木桶(きおけ)、その隣には、真ん中に食卓を置いた畳の間…。
登場人物は、前畑さん役の木田汐音(きだ・しおね)さんや、兄さん役の大藪善道(おおやぶ・よしと)さんら、本人、兄、両親、恩師、近所の女性ら6人。
前畑秀子は橋本の高等小学校時代、父の豆腐店を手伝いながら、近くの紀の川で自ら一人で鍛錬。各水泳大会で実力を発揮し、15歳の時には、校長の強い誘いで、名古屋市の椙山(すぎやま)第二高等女学校(現・椙山女学園)に編入学。18歳の時、ロス五輪200メートル平泳ぎで銀メダル、22歳の時には、日本女性初のベルリン五輪金メダルを獲得した。
今回、演劇部員は「紀ノ川の少女」本番で、藤山一郎の「丘を越えて」の懐メロを流し、当時の雰囲気を表現、橋本の隅田八幡神社・秋祭りの笛太鼓のお囃子(はやし)を演奏して、秀子の苦悶の心を包み込むなど当時の情感を再現した。
演技では、威勢よくスカウトに来る校長、体調不良の父を残していけないと思い悩む秀子。家族と豆腐店は任せておけと背中を押す兄。「決めたことは最後までやれ」と叱咤(しった)する父。それを複雑な心で見守る母…。秀子の心の葛藤を、言葉に抑揚をつけながら披露した。最後に幕が下りると、客席はシーンと静まり返り、やがて大きな拍手が起きていた。
前畑さん役の木田さんは「前畑さんは心底、水泳が好きで、芯の強い女性と思い、演じました。きょうは演劇祭ではなく、大勢の皆様に観覧していただき、うれしかった」と述べ、兄役の大藪さんは「ぼくたち橋本高校生にしかできない、橋本の前畑さんを演劇にしました。前畑さんは水泳が大好きでしたが、内面はごく普通の素晴らしい女性だったと思います」と感想。
顧問の垣内弘充(かきうち・ひろみつ)教諭(28)は「高校演劇祭で優秀賞を受賞。そのお陰で今回、前畑・古川選手の顕彰記念に出演する機会をいただき光栄です。これからもがんばりたい」と話した。
谷口社長は「高校演劇祭も今回も鑑賞させてもらいましたが、脚本も演技も高校生としては満点です。とくに郷土出身の前畑さん物語を、地元の橋本高校生が演劇で、実践してくれました」と感激。「これは何としても次世代に繋いでほしいし、市民も応援しなければなりません」と喜んでいた。
一方、同日開かれた「オリンピック優勝 前畑秀子80周年 古川勝60周年 記念講演&シンポジウム」では、ミュンヘン五輪女子100メートルバタフライ金メダリスト・西口(旧姓・青木)まゆみさんが「オリンピックと私」と題して講演。リオデジャネイロ五輪女子200メートル平泳ぎ金メダリスト・金藤理絵(かねとう・りえ)選手が特別ゲストトーク。シンポジウム『前畑秀子・古川勝とその時代』では、東海学園大学講師の木村華織(きむら・かおり)さんをコーディネーターに西口まゆみさん、橋本まちかど博物館の古西義麿(こにし・よしまろ)館長、橋本市教委の北川久(きたがわ・ひさし)参事が、2人のエピソードなどを紹介して締めくくった。
写真(上)は椙山第二高等女学校に編入するよう頼みに来る校長=手前=と右から前畑、兄、母親。写真(中)は父親=右端=に編入承諾を頼む右から前畑、兄、母親。写真(下)は校長=左=の対応に躊躇する左から前畑、母親、兄。

更新日:2016年12月20日 火曜日 00:00

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