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月山貞利師ら招き「火入れ式」~濵川日本刀鍛錬道場

和歌山県かつらぎ町上天野236の刀匠・濵川貞純(はまかわ・さだずみ、本名・純哉=じゅんや)さん(30)=が、自宅隣に新築した「濵川日本刀鍛錬(たんれん)道場」で、11月6日、師匠の名門・月山派(がっさんは)の刀匠・月山貞利(さだとし)師や同門仲間、地元関係者、親族ら約80人が参集して「火入れ式・初打ち」が営まれた。濵川さんは「この道場で思う存分、玉鋼(たまはがね)を打ち、立派な日本刀をつくりたい」と誓っている。
濱川さんは橋本市出身。平成17年(2005)に県立橋本高校を卒業後、鎌倉時代から続く月山派の月山貞利師の月山日本刀鍛錬道場=奈良県桜井市=に入門。同22年に文化庁美術刀剣製作承認を得て同25年に道場を卒業・独立。すでに日本刀文化振興協会主催の第3回「新作日本刀 刀職技術展覧会 刀身の部」で新人賞に輝き、将来を嘱望(しょくぼう)されている。
この日、すぐ近くの世界遺産・丹生都比売(にうつひめ)神社の丹生晃市(こういち)宮司が祝詞を奏上し、うやうやしくお祓いをした後、濵川さんが同神社からいただいた御神火(ごしんび)を火床(ほど)の炭に着火。濵川さんが鞴(ふいご)で炭火をいこして、その御神火で熱した玉鋼(たまはがね)を、参列する月山貞利師を筆頭に同門や、地元の人たちが小槌(こづち)を用いて次々と初打ち。道場開きを祝った。
地元の井本泰造(いもと・たいぞう)町長は「濵川さんは修練を積み、ぜひ国宝級の刀剣をつくってほしい」と挨拶。月山師は「おめでとう」と祝辞を述べ、「濵川君は『新作日本刀 刀職技術展覧会』ですでに新人賞を受賞するなど、自分で思ったことは必ずやりとげる若者です。がんばってほしい」と期待・激励した。
丹生都比売神社iには平安時代後期に製作され、鎌倉幕府から奉納されたとされる『国宝・銀銅蛭巻太刀拵(ぎんどうひるまきのたちこしらえ)』などが伝わる。これは銅製の柄(つか)や鞘(さや)などに蛭巻状の銀箔(ぎんぱく)を施した見事な太刀。丹生宮司は「濵川さんは、月山師がおっしゃる通り、将来有望な刀匠であり、ぜひ国宝級の太刀をつくる立派な刀匠になってほしい」と期待を寄せていた。
新築の鍛錬道場は木造平屋約50平方メートル。内部には、玉鋼を炭火で熱する煙突を取り付けた「火床」や、熱した玉鋼を置く「金床(かなとこ)」、玉鋼を打つ「ベルトハンマー」、鋼を冷却する水槽などを設置している。
写真(上)は鍛錬道場の火入れ式で丹生宮司からお祓いを受ける右から濵川さん、師匠・月山貞利師ら。写真(中)は丹生都比売神社からいただいた火を炭に移し玉鋼を熱する濵川さん。写真(下)は火入れ式で玉鋼を差し出す濵川さんと初打ちする若手刀匠たち=手前左では月山貞利師がやさしくも厳しく見守っている。

更新日:2016年11月7日 月曜日 00:00

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