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中将姫の里・輝くたんぽぽ♪新田さんら繁殖に汗す

奈良時代のヒロイン・中将姫ゆかりの里、和歌山県橋本市恋野の「浮御堂(うきみどう)」周辺の田園地帯で、今春、無数の「たんぽぽ」(在来種)が咲きそろい、優美な古(いにしえ)ロマンを演出している。
地元の「中将姫旧跡保存委員会」=田中治(たなか・おさむ)会長=によると、中将姫は容姿端麗(ようしたんれい)で、英知に富み、恋野の里で約2年3か月暮らしたとされる。
4月初旬、その恋野の「浮御堂前」バス停(橋本市コミュニティーバス)から北へ進むと、すぐ左手に高さ約3メートルの堤(つつみ)状の畦道があり、その斜面で「たんぽぽ」が数輪ずつ、固まって輝いている。その綺麗な草刈り跡に現れている「たんぽぽ」の姿は、まるで一幅の立体画のような光景である。
一方、右手の田畑の畦道には、柔らかい若草が萌えていて、その中から幾つもの茎が伸び、そこから瑞々しい「たんぽぽ」の花が、そよ風に揺れる。すでに穂絮(ほわた)になったものもある。
他に類例を見ない、この恋野の「たんぽぽ」の景色は、浮御堂の北にあるカフェギャラリー「藪椿(やぶつばき)」(休業中)の新田綾子(にった・あやこ)さんが実現した。
地元の自然農法家・中山隆士(なかやま・たかし)さんが、新田さんから「ぜひ、日本古来から続いてきた、たんぽぽを増やし、昔ながらの〝たんぽぽの里〟になるように」と頼まれ、在来種を守る難しい作業を続けてきた。
今では、「たんぽぽ」が繁殖するだけでなく、新田さんが「たんぽぽ」だけを残して草刈り。その美しい命は、至るところで、存在感を発揮している。
中山さんは「私たちは単に安心安全の農産物を作るだけでなく、新田さんたちと協力して、中将姫の里にふさわしい、自然風景を守っていきたい」と話していた。
写真(上)神々しく輝くたんぽぽの花=向こうに見えるのは浮御堂。写真(中)は刈り残されたたんぽぽは一幅の立体画。写真(下)は早くもたんぽぽの穂絮も見られる。


更新日:2016年4月11日 月曜日 00:00

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