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「はたごんぼ茶」局長賞に輝く♪森岡さん健康増進を…

和歌山県橋本市西畑・東畑の国城山(くにぎさん)で復活栽培した江戸時代の〝幻の畑ごんぼ〟を100%使った「はたごんぼ茶」が、平成27年度優良ふるさとコンクールで、見事、食料産業局長賞を受賞した。「はたごんぼ茶」を栽培加工する同市隅田町芋生の森岡康次(もりおか・やすつぐ)さん(65)は、「はたごんぼ茶が、わが国で優良と認められてうれしい。これをバネに一層、健康増進に良くて、安心安全なお茶づくりに挑みたい」と張り切っている。
〝畑ごんぼ〟は江戸時代から高野山への参詣道である「黒河道(くろこみち)」(国の史跡)沿いの国城山中腹の西畑・東畑で栽培。昭和初期に一旦途絶えたが、約7年前に地元有志でつくる「プロムナード国城」=徳田勝治(とくだ・かつじ)会長=が復活栽培した。この〝畑ごんぼ〟の特色は、嶮しい山斜面で、たくましく根を下ろし、大きなものは長さ1メートル、直径7センチにも及ぶ、全国的にも極めて希少な個性的ゴボウ(牛蒡)である。
平成26年9月、畑ごんぼ栽培加工「森康(もりやす)商店」を経営する森岡さんは、公益財団法人わかやま産業振興財団から、「畑ごんぼを使った優良加工食品の開発を」と委託を受け、和歌山県立医科大学や、地元の産直市場「くにぎ広場」の協力を得て、健康・安心安全・おいしい〝はたごんぼ茶〟の研究・加工に取り組んだ。
その結果〝畑ごんぼ〟は、とくに皮部分に抗酸化作用のあるポリフェノールを多量に含み、焙煎(ばいせん)方法により、ポリフェノール量を増やせることや、アユを焼くように〝あぶり焼き〟も取り入れることで、本来の〝畑ごんぼ〟の味や香りを活かせることがわかった。
そこで森岡さんは、昨年4月に「はたごんぼ茶」の名で商品化し、同8月に商標登録。〝畑ごんぼ〟そのものは栽培農家から仕入れる一方、自らも国城山山腹の約800平方メートルで栽培。3月には約2600平方メートルに増やすことにしている。
今回、その「はたごんぼ茶」が、一般財団法人食品産業センター主催、農林水産省後援の優良ふるさと食品コンクール・国産農林産品利用部門で、厳重審査のうえ見事「食料産業局長賞」の受賞が決定。3月14日、東京都千代田区の東海大学校友会館で表彰される。
この「はたごんほ茶」は、1袋(1包2グラム・12包入り)600円(税別)。JR・南海橋本駅前の「はしもと広域観光案内所」や、JR・高野口駅の駅下がりにある「裁ち寄り処」、フルーツライン沿いの「くにぎ広場」、東京・有楽町の「紀州館」などで販売している。
森岡さんは「局長賞に選ばれたのは、江戸時代に畑ごんぼを栽培した人、平成時代にそれを復活させてくれたプロムナード国城、その健康的成分を研究してくれた県立医大の先生、商品供給してくれた方々のお陰です」と説明。
そのうえで「ゴボウは高麗人参生薬(こうらいにんじんしょうやく)と同じく、糖尿病や便秘予防、整腸作用などに効能があり、とくに〝畑ごんぼ〟のパワーは桁外(けたはず)れです」とアピール。「はたごんぼ茶で、楽しいお茶タイムを過ごし、健康増進に繋げられたら本望。今後、畑ごんぼを活かした仕事で、若者たちの雇用促進や、地域活性化に繋がればうれしいです」と話した。
写真(上)は食料産業局長賞を受賞した「はたごんぼ茶」を披露する森岡さん=はしもと広域観光案内所で。写真(中)は「はたごんぼ茶」。写真(下)はかつて国城山中腹で行われた畑ごんぼ収穫風景。


更新日:2016年2月10日 水曜日 00:00

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