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強雨でギネス記録ならず~キャンドルリレーで再挑戦

和歌山県高野町の高野山・奥の院で恒例の「ろうそく祭り」が開かれた8月13日夜、同実行委員会=森寛杲(もり・かんこう)委員長=は、4万5000本のろうそくを灯す「ギネス世界記録」に初挑戦したが、強雨に見舞われ、ギネス認定に至らなかった。主導してきた高野町青少年連絡協議会の角濱功治(かどはま・こうじ)会長は「皆さん大雨の中、よく頑張ってくれました。このような天候には負けず、来年はキャンドルリレーのギネス世界記録に挑戦します」と誓っていた。
今年は弘法大師・空海の高野山開創1200年、高野山の世界遺産登録10周年。同連絡協議会などて組織する同実行委員会は、ろうそくの本数や距離を競う「ろうそく祭り」の「ギネス世界記録」挑戦を企画した。
この日、同実行委員が橋本・伊都地方の公民館長や高野山高校・野球部員らの応援で、奥の院・英霊殿~御供所間約150メートル間のやや広い砂利道スペースと、付近の石畳で計4万5000本のろうそくを立てた。ろうそくは、風で火が消えないように、6月から実行委員や町民有志で、和紙を巻き付けてきた。
ところが、開始直前、夕立のような激しい雨が襲来。実行委員やボランティアが、あわててビニールをかぶせた。すでにろうそくの芯はびしょ濡れだが、さらにビニール上に雨水が溜まり、その重みでろうそくが傾くという、最悪の状態。
それでも、やっと雨が上がった午後8時27分、角濱会長の号令で、待ち構えていた参拝・観光客が、ろうそくの火などで点火。びしょ濡れの芯はなかなか燃えない。やっと半数ほど灯せた頃、再度、強雨に叩かれた。当初6万本を計画したが、火災を危惧する消防署の指導で4万5000本に減らし、それでもギネス標準記録の4万本を上回ろうとしたが、さらに悪天候に阻まれ、点火できたのは2万数千本止まりだった。
スマホや記録帳を手に終始、厳重審査していたギネス社公認の女性認定員は、約30分後、角濱会長に対し、「この状態ではギネス認定は出来ません」と回答。ろうそくの火は消防士の手で、安全に消された。
参加した大勢の参拝・観光客は「これだけの強雨に遭えば、認定されることなど無理」「それより、みんなびしょ濡れになりながら、よく頑張った」とお互いに讃え合った。
角濱会長は「今回はだめだったが、今度は一の橋~奥の院間(約2キロ)で、キャンドルリレーでギネス世界記録に挑戦したい。約1000人の方々が、ろうそくを持って並び、隣へ隣へとろうそくの火を移していく。きっと実現したい」と張り切っていた。
一方、恒例の「ろうそく祭り」は同日午後7~9時、高野山・一の橋~弘法大師・御廟(ごびょう)間約2キロの参道(石畳)で、約1000年間燃え続けているとされる灯籠堂の火をろうそくの列に移した。
断続的に降る大雨に見舞われながらも、一時は1000年杉や墓石群が暗闇に浮かび上がり、参拝・観光客が手を合わせ、ご先祖や無縁物の冥福を祈っていた。
写真(上)は強雨で傘、傘、傘の下、ろうそくに火を灯す参拝・観光客。写真(中)は大雨のため、立てたろうそくの列にビニールをかぶせる人たち。写真(下)は恒例のろうそく祭りを楽しむ家族連れ。


更新日:2015年8月14日 金曜日 00:00

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