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濃霧、人や街、山河包む~彼岸前日の橋本・伊都地方

〝彼岸の入り〟を控えた3月17日朝、和歌山県橋本・伊都地方は、濃霧に包まれ、街も人も山河も、すべて影絵のような風景。やがて郷土には、青空が広がり、最高気温も4月並みの暖かさとなり、市民はやっと春の訪れを感じていた。
この日朝、例えば橋本市立恋野小学校の児童たちは、濃霧の中、数人のグループ単位で登校。出勤に忙しい車、車、車は、ヘッドライトをつけて、注意しながら走行。京奈和自動車道やその側道、国道371号では、なるべく減速して往来していた。
高野山麓を流れる紀の川は、まるで濃霧の中から、水が溢れてくる様相。浅瀬で細波(さざなみ)が立ち、露の光る木の枝の向こうの橋本橋は、ぼんやりとかすむ。太陽の位置はわかっても、輪郭がわからない、白い霧の深さだった。
それもやがて、林間田園都市の高層住宅や、高台の家々の空は、先ほどまでの濃霧が嘘のように晴れあがり、眩しいほどの春光で輝いている。中空(なかぞら)では、揚雲雀(あげひばり)が声高らかに歌う。
ただ、紀の川の空では、川に沿って濃霧が巨大な長蛇の形を成し、その上に国城山や雨引山が浮かんでいる。地上の水仙や白梅の向こうには、市役所や商工会館周辺の町並みが、清々(こうごう)しく眺められた。
彼岸入りは3月18日、彼岸の中日は同21日、彼岸明けは同24日。濃霧が晴れた後、お墓参りをする市民も多く見られ、「今年も東大寺のお水取りは済んだ」「昔の人は〝暑さ寒さも彼岸まで〟と、うまく言うたもの」と、先人たちに敬意を表していた。
写真(上)は濃霧の中をグループ単位で登校する子供たちと、ヘッドライトをつけて注意しながら走る車。写真(中)は木の芽の露の向こうで濃霧にかすむ紀の川・橋本橋。写真(下)は紀の川上空に沿って長々と伸びる濃霧と国城山、雨引山系の山々や橋本の市街地。


更新日:2015年3月18日 水曜日 00:00

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