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高野山駅、昭和初期の姿復元~金剛峯寺僧侶ら祝う

弘法大師・空海の高野山開創1200年記念大法会を控えて、和歌山県高野町高野山の南海高野線・ケーブルカー山上駅「高野山駅」の改装工事が完成し、2月22日、同駅で「高野山駅リニューアル記念セレモニー」が行われた。
同駅舎は、昭和5年(1930)に建築・開業した木造2階建てモルタル塗り。屋根は頂点に宝珠(ほうじゅ)を飾った宝形造(ほうぎょうづくり)で、黄土色の壁面には、丸窓や欄干があり、洋館建てながら、寺院の趣(おもむき)を呈している。
改装工事では、長い歴史の中で、白い塗料が使われていた外観を、本来の彩色に戻すとともに、ふさがれていた丸窓などを復元。1、2階を結ぶエレベーターを新設し、2階の展望室は広くして、窓際に長いテーブルを設け、9つの椅子を置いて、橋本方面の町並みを一望、ゆったり休息できるようにした。
また、内部壁面には「高野山・根本大塔」「金剛峯寺・石庭」「金剛三昧院・シャクナゲ」「奥の院・参道」の大パネルで装飾。資料展示コーナーには「沿線の見どころ」「高野山駅の駅舎の歴史」「昭和天皇皇后両陛下の行幸啓」などの写真と説明文を展示。「高野文庫」と名付けた本棚も備え、高野山関係の本や雑誌はじめ、「高野山を訪れる参拝・観光客に読んでほしい」と願う、乗降客の善意の寄贈本も並べることにした。
この日、記念セレモニーで、主催者挨拶に立った南海電鉄の金森哲朗(かなもり・てつろう)・鉄道営業本部長は「高野山は平成16年、世界遺産に登録された、世界に誇る一大聖地であり、弘法大師・空海を慕って、国内外から多くの人々が来られる。安全安心の輸送に努めたい」と誓った。
次に来賓挨拶で、和歌山県の古田雅昭(ふるた・まさあき)・伊都振興局長は「今年の春は高野山開創1200年記念大法会、秋には紀の国わかやま国体、来年はNHK大河ドラマ・真田丸の放映と続きます。〝おもてなし〟の心を大切に高野エリアの発展を祈ります」と述べ。高野町の平野嘉也(ひらの・よしや)町長は「高野山の空間を楽しみ、お大師さまの心を感じ、皆さんの記憶に残る駅舎になってほしい」と話した。
最後に、高野山・金剛峯寺の藪邦彦(やぶ・ほうげん)・開創法会事務局課長は「駅舎に置いている御塗香(おずこう)を手に塗り、煩悩(ぼんのう)や穢(けがけ)を払い、心を見つめて自分を律し、豊かさを提供する人になってほしい。皆さんと一丸となって大法会を迎えたい」と締めくくった。
この後、藪・開創法会事務局課長ら僧侶4人が、参拝・観光客の安全を祈って読経。高野山マスコットキャラクター「こうやくん」を1日駅長に任命し、金森・本部長らがテープカットで「駅舎リニューアル」を祝った。駅舎が一般開放されると、乗降客は、それぞれ歩きながら、「外観もいいが、駅舎内も楽しくて素敵です」とか、「ケーブルカーの待ち時間、ゆったり見物できますね」と、口々に話し合っていた。
写真(上)は南海高野線・高野山駅のリニューアル記念式でテープカットで祝う関係者。写真(中)は高野山の参拝・観光客の安全を祈って読経する高野山の僧侶。写真(下)は開創工事が完了して綺麗になった高野山駅の駅舎2階。


更新日:2015年2月23日 月曜日 00:00

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