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高野山麓に乾雪積もる~立春5日目、郷土ぶるぶる

今冬一番とみられる大寒波が南下する中、高野山麓の和歌山県橋本市は、立春から5日目の2月9日未明、最低気温マイナス2度と冷え込み、珍しい乾雪(かんせつ=水分の少ない、さらさらした雪)が降り積もって、郷土全体に白い粉をまぶしたような銀世界が広がった。
橋本市東家の愛宕山付近から、東方を眺めると、紀の川南岸沿いの国城山系の山々は、山襞(やまひだ)に少し斑雪(まだらゆき)があるだけなのに、JR・南海橋本駅周辺の商店や民家は、屋根という屋根がすべて乾雪で真っ白。足元の雪は凍り付いて、つるつる滑る。
同市向副の南海高野線・紀の川鉄橋東側にある「ふるさと学びの森」では、八つ手の葉に付着するように雪が積もり、幾つもの大きな手が、ぶるぶる震えていそうな光景。
また戦後、平成24年まで「紀の川祭り」の舞台だった河川敷グラウンドは、一面、乾雪のジュータンを敷き詰めたよう。たまたま、赤い服の女性が、犬2匹を連れて散歩中で、乾雪上には、うっすらと足跡がつづき、白息(びゃくそく)が、凍てつくように途切れている。
市内のカフェ&レストランでは、女性たちが「雪は少ないのに、坂道で車がスリップ、前進できなかった」「ハンドル切ったら、滑って止まらないよ」などと口々に言う。
この日、乾雪はやがて粉雪、さらに風花に変わり、断続的に空中を舞ったが、夕刻には平野部の乾雪はかなり解け、粉雪も風花も積もることはなかった。橋本駅近くの居酒屋では、棚のテレビが北極寒波の影響を伝え、酔客は「まことに立春とは名のみの寒さ」「ほんまの春は、やっぱり、奈良のお水取り(3月12日)が済んでから」などと話し合っていた。
写真(上)は橋本市東家の愛宕山付近から展望したJR・南海橋本駅周辺の乾雪風景。写真(中)は八つ手の葉に積もった乾雪。写真(下)は乾雪に覆われた紀の川・橋本橋上流の河川敷グラウンド。


更新日:2015年2月10日 火曜日 00:00

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