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重文・高野口小で消火訓練~教職員や児童ら機敏に

国の重要文化財である和歌山県橋本市立高野口小学校(高野口町名倉)で、文化財防火デーを控えた1月25日、消防士、教職員ら計約80人が参加して、消火訓練が行われた。高野口小学校は日本で1番古い〝現役の木造校舎〟で、重文指定後の消火訓練は初めて。主催者挨拶で平木哲朗(ひらき・てつろう)市長は「皆さんとともに貴重な文化財を守りたい」と誓っていた。
同訓練は橋本市、市教委、伊都消防組合消防本部、橋本市消防団、高野口小学校、同PTAが主催。消防車5台が出動、消防職員・団員40人と教職員やPTA、児童ら約40人が参加した。
同日朝、図書室から出火したとの想定で、先ず教職員が、立ち上る煙で火災に気づき、初期消火するとともに、消防本部へ通報。直ちに消防車が出動し、教職員らは、消防職員の指導で、消火栓にホースをつなぎ、校舎側に向けて放水を実施。約20人の子供たちも、8本の消火器を使って、的確で敏速に消火方法を体験した。
訓練の後、伊都消防組合消防本部の益田光則(ますだ・みつのり)消防長が「早い、素晴らしい訓練でした」と講評。「高野口小学校は木造のうえ、校舎が繋がっているので、非常に燃えやすいです。先ず、火を出さないこと、もしも出火した際は、小さいうちに消火活動し、素早く消防本部へ連絡して下さい」と強調した。
平木市長は「私たちにとって、高野口小学校の重文指定はうれしいですが、同時に火災などから守る責任を伴います。これからも消火訓練を重ね、市民一丸となって、貴重な学校を守りましょう」と締めくくった。
高野口小学校は明治8年(1875)、名倉村の村学として開設。同44年から高野口尋常高等小学校、昭和22年(1947)に高野口小学校。現校舎は昭和12年(1937)、JR和歌山線・高野口駅付近から現在地に新築・移転。木造平屋・寄棟造り。建築面積は3500平方メートル。
橋本市内の国宝・重文は、隅田八幡神社の国宝・人物画像鏡(じんぶつがぞうきょう)、重文の利生護国寺(りしょうごこくじ)、三彩の壺(さんさいのつぼ)があり、高野口小校舎は4例目となる。
写真(上、中)は校舎側に向かって放水訓練をする参加者たち。写真(下)は消火器の使い方を学ぶ児童たち。


更新日:2015年1月26日 月曜日 00:04

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