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吉田松陰の肖像・和歌入り~短冊掛けや団扇など人気

NHK大河ドラマ「花燃ゆ」に登場する、幕末のヒーロー・吉田松陰(よしだ・しょういん)の染筆・和歌(せんぴつ・わか)を使った短冊掛けや、団扇(うちわ)、栞(しおり)などの木工芸品が、和歌山県橋本市河瀬の大弥(だいや)工芸=奥村浩章(おくむら・ひろあき)社長で製作され、山口県萩市椿東の松陰神社で発売、好評を博している。奥村社長は「松陰先生は、近代日本の基礎を築いた偉人で、その松陰先生を人々の心に宿してほしいと思い、松陰神社のご承諾を得たうえで、製作させてもらいました」と言っている。
この木工芸品は、松陰の旧姓「杉」を大切に思い、その材料にすべて杉を使用。各作品には松陰の染筆・和歌や、松下村塾(しょうかそんじゅく)の掛け軸にある松陰の肖像画=松浦松洞(まつうら・しょうどう)筆=をシルク印刷。松陰神社に置く作品の下部には「松陰神社」、それ以外の場所で販売する作品の下部にはNHK大河ドラマのタイトル「花燃ゆ」と印刷した。
例えば、短冊掛けの上部には、松陰の肖像画をあしらい、短冊の表には「親思ふ こころにまさる 親ごころ けふの音づれ 何ときくらん」、「身ハたとひ 武蔵の野辺に 朽ぬとも 留置まし 大和魂」と書いた染筆・和歌をシルク印刷。裏には読み易いように、活字に直して印刷している。
団扇、風鈴・短冊も、ほぼ同じ形で、「松陰神社」と「花燃ゆ」の2種類、栞は6種類を作り、その他にペン立てや銘々皿(めいめいざら)も製作。松陰の肖像画の髷(まげ)を、繊細に透かし彫りするなど、見事な仕上がりを見せている。
奥村さんは「近代日本の建設、明治維新の立役者を数多く育てた、松陰先生の大ファンです。昨年夏、NHKがドラマ化することを知り、木工芸会社として、何か役立つことはないか」と思案。そこで「どこにもない自社の特許技術「薄板作り」を生かして〝土産物〟を作り、そこに松陰先生の染筆・和歌、肖像を入れよう」と決意。松陰神社とNHK関係者に「松陰先生・称賛」の気持ちを伝えて、木工芸品の見本を示したところ、その誠意が通じて、快諾を得ることができたという。
今のところ、作品下部に「松陰神社」と印刷した作品だけを松陰神社で販売。「花燃ゆ」と印刷した作品については、近く、JR・南海橋本駅前の「はしもと広域観光案内所」などに置く予定。
奥村さんは「今は木工職人も少なくなり、沢山の作品を一気に作れないので、いくら人気でも商売にはなりません。ただ、松陰先生の思いを人々に伝えたくて、多くの和歌の中から、私なりに感銘を受けた6首を選び、木工芸品にしました」と話している。
短冊掛け2200円、団扇1500円、風鈴・短冊1400円、栞500円。
写真(上)は吉田松陰の肖像と染筆和歌を印刷した短冊掛けやペン立て。写真(中)は吉田松陰を讃えて製作した団扇、風鈴・短冊、栞、銘々皿。写真(下)は「心こめて作った」と言う奥村社長。


更新日:2015年1月17日 土曜日 00:00

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