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新酒の目印「酒林」作り最盛期~日本・酒文化大切に

新酒シーズンに造り酒屋や小料理店の軒先に吊るされる「酒林(さかばやし)」を作っている和歌山県橋本市の大弥(だいや)工芸では、今、「酒林」の出荷の最盛期を迎えている。奥村浩章(おくむら・ひろあき)社長は、「酒林は日本の酒文化の象徴で、精魂込めて作っています」と話した。
この酒林は杉玉(すぎだま)とも呼び、大きさは大小さまざまだが、普通は直径約45センチの球形。針金を組んだ骨格部分に、杉葉の枝部分を1本ずつ、丹念に差し込んで完成させる。
このような酒林は、先ず、酒の神様として尊崇される日本最古の大神神社(奈良県桜井市)が重宝していて、全国の造り酒屋でもこれに習い、新酒シーズン(10月~翌年1月)には、「新酒が出来た目印」として軒先に吊るす。最近では、小料理店やスナックでも、装飾または顧客への感謝の心を込めて飾っているという。
大弥工芸では約20年前、造り酒屋から頼まれ、副業として酒林作りを始め、杉皮と杉材による酒林の屋根も制作。1年間に酒林100個以上を制作・出荷しているが、受注に制作が追いつかない。
奥村社長は「当社は、杉葉が緑色のまま保つ、独自の特許技術を持っていますが、この副業は利幅が少なく作業も大変。それでも貴重な日本の酒文化なので、頑張っています」と話した。
写真(上、中)は忙しい「酒林」の手作り風景。写真(下)は完成した酒林と屋根部分。


更新日:2014年12月20日 土曜日 00:06

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