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犬飼山・転法輪寺「榧の衝立」飾る~東さん奉納

和歌山県橋本市赤塚の材木業・東勇司(ひがし・ゆうじ)さん(52)は、かつらぎ町の丹生都比売(にうつひめ)神社近くの榧(かや)の古木で作った「榧の衝立(かやのついたて)」を、奈良県五條市犬飼町の犬飼山・転法輪寺(てんぽうりんじ)に奉納した。訪れる大勢の信者たちは、玄関正面の〝遠山(とおやま)の間〟に飾られた「榧の衝立」に手を合わせて拝観、その美しさに見とれている。
弘法大師・空海は弘仁6年(815)、紀伊山地で道に迷った際、出会った狩場明神(かりばみょうじん=猟師)の犬2匹が高野山に案内。丹生都比売神社からは、神領の高野山を貸与され、翌・弘仁7年に高野山を開創したとされる。犬飼山・転法輪寺は、この狩場明神を祀っていて、「高野山発祥の寺」と伝えられている。
今回、奉納された話題の「榧の衝立」は、榧を輪切りにした高さ1メートル余り、幅約25センチの大きさ。「紅葉」の金屏風をバックに、その前の台座に置いて、空洞部分の中には、白・黒2匹の犬と弘法大師・空海の人形を飾った。
この榧(かや)は、樹齢約500年の古木。たまたま、丹生都比売神社に近い、かつらぎ町星山の山道脇に聳えていたが、内部が腐敗するなどして、倒木の危険性があることから、関係者の依頼を受けた東さんが、やむを得ず伐採。この榧の古木の命を生かそうと、専門家に頼んで、「榧の衝立」と「榧のテーブル」に加工し、奉納したという。
同寺では「七五三厄除参り」「御影供(みえく)」「不動護摩供(ふどうごまく)」など、さまざまな仏教行事があり、訪れる大勢の信者たちは、どことなく力強い榧の気を感じさせる「榧の衝立」に合掌し、心を和ませている。
桑山聖規(くわやま・しょうき)名誉住職(89)は、妻・逸子(いつこ)さん(83)と共に、「何しろ、お大師様と関りの深い、丹生都比売神社の近くの榧の木です。それが高野山発祥の地の当寺に、こうして奉納していただいたことは、まことに不思議なご縁。お大師様を信仰される皆様のためにも、末永く、ここに飾っておくつもりです」と喜んでいた。
写真(上)は見事な「榧の衝立」を見る桑原・名誉住職と妻・逸子さん。写真(中)は高野山発祥の地とされる犬飼山・転法輪寺。写真(下)は2匹の犬と弘法大師・空海の人形を飾った「榧の衝立」。


更新日:2014年11月23日 日曜日 00:00

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