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新組子細工を発案・池田さん表彰~日本建築士連

日本建築士会連合会=三井所清典(みいしょ・きよのり)会長=は、「多年にわたり、わが国建築の伝統文化の発展に貢献した」として、欄間(らんま)や額(がく)に絵模様を表す紀州高野組子細工「きのくに・ちぎれはめ込め技法」を発案した木工芸家・池田秀峯(いけだ・しゅうほう=本名・秀孝)さん(66)=和歌山県橋本市東家=を表彰、記念品を贈った。表彰されたのは全国から24人、和歌山県内から1人で、池田さんは「この賞に恥じないよう、さらに切磋琢磨(せっさたくま)したい」と語った。
池田さんは昭和21年(1946)橋本市生まれ。父が創設した池田清吉(せいきち)建具の2代目、紀州高野組子細工師7代目。その伝統的・組子細工を基本に、色彩の異なる木々の組子を素材に欄間、額、短冊掛け、行燈(あんどん)などに、絵模様をあしらう独自の〝きのくに・ちぎれはめ込め技法〟を編み出した。
現在、高野山金剛峯寺承認/厚生労働省認定一級技能師、和歌山大学学生自主創造センターシニアアドバイザー、和歌山県職業訓練指導員、厚労省ものづくりマスターとして活躍中。
また、池田さんは平成9年、天皇・皇后両陛下の御来県記念に勇壮な鯨(くじら)の姿を表した衝立(ついたて)「勇泳」を、同11年には明治神宮に額「桜漫(ろうまん)の冨士」を献上。
その後も、橋本市役所に欄間(らんま)「橋本の夏祭」、JR・南海橋本駅に額「彩雲遠望(さいうんえんぼう)」、和歌山大学に額「高野山黎明(れいめい)」を寄贈した。
今は、来春の弘法大師・空海の「高野山開創1200年記念大法会」に向けて、組子細工を用いた記念品制作に励む一方、郷土の保育・幼稚園児、小学生に組子細工を教えている。
第57回建築士会全国大会は、福島県郡山市南の「ビッグパレットふくしま」で開かれ、三井所会長は受賞者を前に、「伝統的な日本建築の発展と後継者の育成に励んでほしい」と挨拶。池田さんは「組子細工への取り組みが、このように評価されてうれしい。これをバネに一層、研鑽を積んで、世界に自慢できる組子細工作品を生み出したい」と、喜びを語った。
写真(上)は組子細工の大作「高野山黎明(れいめい)」制作に取り組む池田さん。写真(中)は日本建築士会から表彰された池田さん。写真(下)は池田さんが制作した紀州高野組子細工「高野山」


更新日:2014年11月15日 土曜日 00:00

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