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四天王像、高野山・中門に安置~心癒すその形相

世界遺産・高野山真言宗総本山・金剛峯寺(和歌山県高野町)は、来春の「高野山開創1200年記念大法会」に向けて再建した壇上伽藍(だんじょうがらん)「中門(ちゅうもん)」に、京都市の大佛師(だいぶっし)・松本明慶(まつもと・みょうけい)さん(69)が修復・新造した「四天王像」を搬入、10月24日、記念法要を営んだ。導師の添田隆昭(そえだ・りゅうしょう)宗務総長は「四天王のお顔立ちは厳粛で、きっと私たちの邪悪な心を戒めてくださる」と話し、手を合わせていた。
壇上伽藍は、真言密教のシンボル・根本大塔や金堂、御影堂などを配置。その入口に再建された中門は、高さ16メートル、幅26メートルの二層造りの朱色の楼門。弘仁10年(819)の創建だが、再三火災で焼失、再建を繰り返し、天保14年(1843)の中門焼失後は、そのままになっていた。
中門には永治元年(1141)に新造された多聞天像と持国天像を安置。文化6年(1809)に火災に遭い、文政2年(1819)に再現。さらに天保14年の火災の際は、運よく二天像が運び出され、檀上伽藍の西塔や大塔に安置されてきたという。
金剛峯寺の依頼で、松本さんが平成24年(2012)夏から、多聞天像と持国天像を解体修復、増長天像と広目天像を新造した。とくに、増長天像は〝断じて悪を通さない。後へは引かない〟格好なので、胸元に前へ前へ飛ぶトンボ(蜻蛉)を、広目天像は、大きく目を見開いているので、耳で聴いても、その気迫がわかるようにと、胸元にしゃんしゃんと鳴くセミ(蝉)をとまらせたという。
記念法要は中門正面に祭壇を設け、大きなろうそくを立て、松本さんやその弟子約20人が参列して、添田・宗務総長ら僧侶約20人が読経。添田・宗務総長は「この法要は〝仏様、お帰りなさい〟〝お待ち申しておりました〟という意味のご挨拶です。中門・落慶法要、四天王像・開眼法要は、来年4月2日の開創1200年記念大法会で行います」と述べ、松本さんは「この四天王像は東西南北をにらみ、こんご高野山の聖域を護ってくれます」と語った。
四天王像は、すべて白い布を巻きつけ、緑の柵やネットで囲んで保護され、拝観できるのは、開眼法要以降となる。
この日、中門周辺では、大勢の参拝・観光客が、四天王像の搬入や、中門での組み立て、記念法要の様子を見守り、「四天王は、いずれもすごい形相なので、かえって不思議に心が癒される」「さすがに高野山、まことに荘厳で、将来、この中門をくぐる世界の人々は、計り知れない」と、口々に話していた。
写真(上)は広目天像を見上げ、隣の添田・宗務総長に説明する松本さん=右手前。写真(中)は中門背面に安置された広目天像。写真(下)は中門背面に安置された増長天像。

更新日:2014年10月25日 土曜日 00:00

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