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高野山・案内犬「ゴン」映画化~来秋・完成目指す

和歌山県九度山町の世界遺産・女人高野別格本山「慈尊院」で飼われていた、今は亡き〝高野山への案内犬・ゴン〟の物語を映画化しようと、株式会社フィルム・クレッセント(東京都港区南青山)の相澤徹(あいざわ・とおる)社長や監督、脚本家、プロデューサーらが、10月27日~30日、慈尊院や高野山などを訪れた。同社はかつて「曼荼羅(まんだら)~若き日の弘法大師・空海~」など多数の名作を製作していて、同院の安念清邦(あんねん・せいほう)住職は「高野山開創1200年記念大法会を2年後に控え、たぐいまれな愛犬・ゴンの映画化は誠にうれしい」と期待、相澤社長は「人間に奉仕したゴンの心根の素晴らしさを世界に伝えたい」と張り切っている。
ゴンは、紀州犬と柴犬の雑種。1988年春、慈尊院に住みつき、高野山・金剛峯寺までの町石道(ちょういしみち)を、お遍路さんについていくうち道を覚え、連日、大勢の参拝者をひたすら先導し、「お大師様の使いの名犬」として脚光を浴びた。
しかし、95年には体力が衰えて引退、02年6月5日、老衰のため同院で安らかに永眠した。同院は翌日、ゴンの葬儀を行い、境内にゴンの彫像を建て、翌年には〝ゴンの御守〟を作って、御供所わきに置いた。今なおゴンの彫像に手を合わせ、お守りを買い求める人は絶えない。
相澤社長はかつて映画「育子からの手紙~十五歳、ガンと闘った日々」(原作=副島喜美子さん、筑摩書房刊)を製作し、2年前、橋本・伊都地方で放映するうち、〝渋谷駅前の忠犬ハチ公〟に勝るとも劣らない高野山・案内犬「ゴン」の活躍ぶりを聴いて感動、映画製作を決心した。これまで再々、高野山や慈尊院を訪れ、ゴンに関する情報・資料を集めてきた。
10月28日には、相澤社長や森川時久監督、脚本家の中西健二氏、プロデューサーの永井正夫氏ら4人が、脚本(準備稿)「ごん 光の案内犬」(仮題)を持参、慈尊院を訪れた。
森川監督は一世を風靡(ふうび)した「若者たち」(1967)、「若者の旗」(70)、「若者はゆく」などの名監督で、すでに安念住職と面識のある相澤社長が、森川監督と活躍中の中西、永井両氏を紹介。
安念住職は、境内を巡りながら、ゴンのやさしさや、参詣人を案内した町石道、弘法大師の御母公を祀る本堂などについて説明し、「多くの文芸作品を製作している映画会社が、ゴン物語を映画化してくれるのはうれしい」と謝辞を述べた。
相澤社長は「ゴンは何の報酬も求めず、ただひたすら、慈尊院から高野山へ、人々を案内しました。人の痛みをわかり合い、人間共存が大切な現代、人々に一番欠けている部分を、ゴンがやってくれていました。これは何としても、映画で伝え、後世に残したい」と語った。
29、30両日は、橋本市商工観光課員の案内でロケ地を探索。かつてNHK朝ドラ「芋たこなんきん」の舞台となった高野口小学校(木造=国重要文化財・答申)や、玉川峡の〝やどり温泉いやしの湯〟周辺、山伏の昔の行場・五光の滝などを見て回った。
今後も再三訪れる予定で、撮影・製作が始まると、大勢の俳優やスタッフが橋本・伊都地方で過ごすことになる。相澤社長は「今のところ主人公のゴンや、安念住職ら登場人物の配役は決まっていませんが、高野山開創1200年記念大法会を控え、来年秋には完成させたいと思っています」と語り、「映画製作の資金支援などは、ぜひ、ご理解ご協力をお願いしたい」と訴えていた。
写真(上)は安念住職から在りし日のゴンの物語を聴く相澤社長や森川監督ら一行。写真(中)は慈尊院境内の一隅にあるゴンの彫像。写真(下)は安念住職から町石道の説明を聴く相澤社長や森川監督ら一行。

更新日:2013年10月31日 木曜日 00:11

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