ニュース & 話題

岡潔博士の顕彰碑を建立…11月、橋本市役所前

世界的な数学者で文化勲章受章者である和歌山県橋本市の名誉市民・岡潔(おか・きよし)博士(1901~78年)の、メガネを掛けた顔と多変数解析関数の直筆をデザインした「岡潔博士 顕彰碑」が、今秋、橋本ロータリークラブ(小西捷治会長)からの寄贈で、橋本市役所玄関前・植え込み内に建立されることになった。
計画によると、顕彰碑は高さ約1・8メートル、幅約80センチの黒石(ジャズバーグ)製で、上部には文化勲章を受賞した後の顔写真をもとにデザインした、岡博士の眼鏡(めがね)を掛けた飄々(ひょうひょう)とした表情を刻む。下部には岡博士の著書「一葉舟」から抜粋した「日本民族は情の民族である。人と人との間によく心が通い合うし、人と自然との間にもよく心が通い合う。この心を情というのである。日本民族は情によってつながっているのである 岡潔 」という文章が刻まれる。
その脇には「日本数学史上最高の世界的数学者 最初の橋本名誉市民」と題した岡博士の略歴を刻んだ石碑を併設。内容は、1901年 寛治・八重の長男として誕生 1925年 京都帝国大学理学部数学科を卒業と同時に同大学講師に就任 1929年 フランスに留学 生涯の研究テーマとなる 「多変数解析関数論」に出会う 後年 その分野に於いて 世界中の数学者が解けなかった「三大問題」をたった一人ですべて解決した 京都帝国大学のほか 広島文理科大学 北海道大学 奈良女子大学 京都産業大学で教鞭を執る 1960年 文化勲章受章 1961年 橋本市名誉市民となる 1963年 「春宵十話」をはじめ「日本のこころ」「風蘭」「紫の花火」「春風秋雨」「月影」「一葉舟」等… 1978年 逝去 と記される。
建立場所は、国道24号線の橋本市役所前バス停裏の市役所・植え込み内で、同ロータリークラブが、すでに建立済みの〝橋本出身のオリンピック金メダリスト・兵藤(旧姓・前畑)秀子さんと古川勝さんの2人の記念碑〟から数メートル東側。
除幕式は、11月24日午後1時半から開催。顕彰碑の除幕の後、国歌斉唱、会長挨拶、目録贈呈、市長挨拶、感謝状贈呈、岡潔博士・略歴紹介、高校生ブラスバンド「仰げば尊し」演奏、花束贈呈、「ふるさと」斉唱、記念撮影を行い、「なごりはつきねど」斉唱で締めくくる予定。
同ロータリークラブ・社会奉仕委員長で、顕彰碑建立を企画・立案した奥村浩章さんは、最近の同クラブ定例の「卓話」の中で、「岡先生は日本人特有の情緒を大切にされ〝情緒の中心が人の中心〟とおっしゃられた。御祖父からは〝人を先にして自分は後にせよ〟と教わり、それを人生の指針としてこられた」と説明し、「顕彰碑の建立により、先生の教えが一人でも多くの方々に伝わることを願っています」と述べている。
写真(上)は顕彰碑に刻まれる岡潔博士のデザイン。写真(中)は顕彰碑に刻まれる岡潔博士の著書「一葉舟」から抜粋した文章。写真(下)は「岡潔博士顕彰碑」が建立される橋本市役所のバス停付近=左端に見えるのは、オリンピック金メダリスト前畑秀子さんと古川勝さんの記念碑。


更新日:2013年10月8日 火曜日 08:26

関連記事

ページの先頭に戻る

  • 標準
  • 大
  • RSS
  • サイトマップ

検索

過去の記事