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カエルやヤゴ、児童ら採集〜棚田で生きもの調査

日本の原風景と言われる和歌山県橋本市柱本の棚田や芋谷川で、6月25日、市立柱本小学校(松島洋校長)の5年生32人が「柱本の生きもの調査」を行った。地元の「柱本田園自然環境保全会」の主催で、子供たちはカエルやヤゴなどの水生生物を採集して大喜び。同会の佐藤俊・事務局長は「いろんな動植物との共生を実感できたので、将来、きっと役立つと思います」と話した。
同会は「郷土の自然、里山を守ろう」と、地元の老人会や柱本会(青壮年)などで組織。この日、同会会員や引率の教諭、和歌山県伊都振興局、橋本市職員ら約30人と柱本小学校の5年生児童が柱本集会所に集合した。
先ず、同会の大原一志会長(柱本区長)が「きょう田んぼや川で体験することは、他の子供たちにも教えてあげてくださいね」と挨拶し、佐藤・事務局長が「サトヤマとは、家を中心に野良(のら)、里、山、奥山と広がり、野良にはホタル、里にはトンボ、山にはリス、奥山にはクマなどが棲息しています」と説明した。
また、「里山は耕起や野焼き、間伐などを行い、乾燥地や水路、ため池などの利用形態をつくり、人の生産活動の空間としました」と話をすすめ、「里山の全体は、有機的な〝ビオトープ〟であり、自然と人間の共生を生み出した〝自然の博物館〟である」と話した。
この後、子供たちは5班に分かれ、同会が用意した網や水槽などを持って、棚田や芋谷川で水生生物の採集を開始。棚田はいずれも田植えの後、苗がしっかり根付いた水田で、周囲には夏草に覆われた水路もある。芋谷川は最近の雨で適量の水が音を立てて流れている。
子供たちは、大人の助けを借りながら、網を使い、棚田ではカエル、ヤゴ、イモリ、川ではカワムツ、ヨシノボリ、サワガニなどを次々と採集。「わぁ、イモリや」「これなに?」などと、歓声が山々にこだました。
植物に詳しい山本良和・元橋本市中央公民館長は、周辺で摘んできたヨモギ、ツユクサ、セリなどを子供たちに披露。「セリは、普通のセリに似ていても、毒セリもありますよ」と、注意を呼び掛けた。
佐藤・事務局長は「子供たちに、里山にはいろんな生きものがいること、その名前を覚えることを学んでもらいました。きょうは仲間とともに遊ぶように調査し、生きものが共生している現場を体験したことは、とてもよかったと思います」と語った。
写真(上)は佐藤・事務局長の指導で、網で生きものをすくう柱本小学校の子供たち。写真(中)は芋谷川でとれたカワムツ。写真(下)は採集した水生生物を見せ大喜びの児童。


更新日:2013年6月25日 火曜日 16:24

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