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先人の知恵「分水戸」で引水…橋本・恋野で代掻き

全国的にも珍しい「分水戸(ぶんすいこ)」で、田んぼに水を引いて行われる農作業〝代掻(しろか)き〟が、和歌山県橋本市恋野地区で、一斉に行われた。恋野区長で地元の似賀尾池(にがおいけ)水利組合長の辻本賢三さんは「今年は雨が少なかったため、田んぼが非常に乾燥し、分水戸からの水量不足が心配されましたが、前日夕に降った大雨で、救われました」と、思わぬ慈雨に喜んでいた。
恋野地区は、紀ノ川南側の丘陵地にある田園地帯。近代的な農業ができるよう、約22ヘクタールの田畑を圃場(ほじょう)整備し、先祖から受け継いできた「分水戸」(最大幅約2メートル、計32か所)を活用している。
田植えシーズンには、高台の似賀尾池から、本田池や新池、躑躅(つつじ)池を通じて、水は農業用水路を下へ下へと流れる。その際、分水戸は、下流部の水田の面積に応じて、通水幅を設定してあり、自然に過不足なく、水田に水が張られる仕組み。分水戸はもともと木製だったが、今は、形状を引き継ぎ、コンクリートで構築されている。
5月30日には、田んぼの土が乾燥していたため、例年の約4倍の水が必要であり、池の水量が心配されたが、前日夕刻、雷鳴とともに大雨が降り、たちまち田んぼは水浸し状態に。お陰で、分水戸からの引水は十分に足りたという。辻本さんは「半世紀以上、農業に携わっているが、こんなに田んぼが乾燥したのも、代掻き前日の大雨で助かったのも、初めての経験です」と、胸をなでおろした。
農家の人たちは、さっそくトラクターで〝代掻き〟を行い、土が水になじんだ頃を見計らって、田植えが始まることになる。
写真(上)は代掻きが行われた橋本市恋野地区の水田。写真(中)は全国的にも珍しい恋野地区の分水戸。写真(下)は畦道で田植えを待つ青々とした苗。

更新日:2012年6月1日 金曜日 04:19

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