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古佐田の地車、6月に入魂式…市脇の地車と対面

和歌山県橋本市古佐田区が、大阪府堺市片蔵区から購入した〝平成の地車(だんじり)〟の入魂の儀が6月3日、同市胡麻生の相賀八幡神社で行われる。この〝平成の地車〟は、入魂の儀の後、同市東家の橋本市役所横の駐車場で、かつて同市市脇区が、大阪府貝塚市半田から購入した〝昭和の地車〟に出迎えられ、市民に披露される。これら2台は、泉州出身の地車で、当日は地車同士「おい、お互い第二の故郷で、仲良くしょうな」という楽しい光景が見られそう。
橋本市古佐田区は、既存の地車が古くなったため、昨年10月、平成3年(1991)に新調された堺・岸和田の〝折衷型(せっちゅうがた)地車〟を1400万円で購入した。
この地車は高さ約3・6メートル、幅約2・3メートルのケヤキ製で、彫物は野原湛水、中山慶春、川原和夫、木下賢治の各師匠が担当、池内工務店が製作した。
地車の大屋根廻りには「雄略天皇が葛城山で大猪を蹴(け)殺す」光景、小屋根廻りには「楠木正行が吉野山・如意輪堂に辞世の句を刻む」姿、腰廻りには「赤穂浪士の吉良邸討ち入り」の場面が浮き彫りされている。
一方、橋本市市脇の地車は、昭和11年(1936)、貝塚市半田で新調。先代の地車(明治初期・新調の堺型=橋本市有形民俗文化財)の後継として、平成17年(2005)に購入した。
〝平成の地車〟の入魂式は、古佐田区だんじり保存会が主催。地車は当日午前6時半ごろ、格納庫からJR南海橋本駅前に移し、同7時ごろに出発。市道駅前寺脇線の橋本川・古東橋を渡り、東家のT字路を右折、東家小原田線、国道371号を北上。橋本川を渡りホームセンター近くを左折して、胡麻生の相賀八幡神社へ曳行。午前8時~8時半、同神社で入魂の儀を執り行った後、同じコースを戻り、今度は東家郵便局近くの国道24号を右折、市役所前の交差点を右折して、市役所横の駐車場に到着。ここで市脇の〝昭和の地車〟が出迎え、泉州出身の地車同士が対面することになる。お互い美しい彫物に覆われた雄姿を並べ、鉦・太鼓の音も威勢よく、おおいに盛り上がりそう。
〝昭和の地車〟は一旦、橋本駅前に戻り、駅の乗降客らに披露。古佐田区民らは午前11時半から同区民会館で入魂式典を開催する。古佐田区の先代の地車は、昨年秋、曳き納めを済ませ、今秋から大阪府柏原市内で活躍することになっている。
だんじり研究家の犬飼健也さんは「今回、購入した古佐田区の地車は、後テコを担いで地車後部を浮かし、その場で地車をぐるぐる回す〝ぶん回し〟のできる構造になっています。今のところ、地車そのものが重過ぎて、思い通りに動きませんが、若衆の心意気次第で、地車の前部を改造し、〝ぶん回し〟が実現される可能性もあり、将来が楽しみです」と話した。
写真(上)は橋本市古佐田区が購入した〝平成の地車〟。写真(中)は〝平成の地車〟の寸法を記した2枚組み写真。写真(下)は昨年行われた古佐田区の先代の地車の昇魂式の後、橋本駅前で記念撮影。


更新日:2012年5月16日 水曜日 09:09

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