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懐かしい著名人の年賀状~45年前の36枚保存

世界的な数学者の岡潔さんや、女優の吉永小百合さんら、45年前の著名人の年賀状36枚が、和歌山県橋本市御幸辻のフォトライター・北森久雄さんの手元で、大切に保存されていることがわかった。〝橋本市岡潔数学WAVE〟は、同市内に復元予定の岡さんの旧家(記念館)に展示したいと希望。北森さんは協力を惜しまないと言っている。
北森さんは元橋本市教委の教育次長。橋本市中央公民館を担当していた1967年1月、橋本市橋本の紀ノ川・橋本橋北詰にあった同公民館(旧市庁舎)2階広間(和室)で、珍しい〝年賀状展〟を開いた。
事前に文書で全国の著名人に依頼する一方、市民からも年賀状を公募。著名人からは計36枚、市民から約200枚が、同公民館に集まり、これを展示した。「正月らしい明るい企画」として、好評を博したという。
展示後、すべて廃棄処分したが、北森さんは「あまりにも、もったいない。せめて著名人の年賀状は、保存しておこう」と考え、改めて1枚1枚をアルバムに保存した。以来、すっかり忘れていたが、今年の正月、アルバムを見つけて、驚いたという。
例えば、橋本市の名誉市民で文化勲章受章者の岡潔さんの年賀状は、「頌春 春なれや石の上にも春の風(石風)」と、俳句を印刷してある。吉永小百合さんは、結い上げた黒髪に、白いリボンを飾り、和服姿でにっこり微笑んでいるカラー写真入り。文は「あけましておめでとうございます」と簡潔だ。
また、テレビ番組の「事件記者」の主人公役だった俳優の永井智雄さんは「ありきたりな年賀状で失礼致します」と、実に達筆な直筆で書かれ、人気歌手の舟木一夫さんは背広姿で、白い歯を見せて笑っているモノクロ写真入り。漫才の上方柳太さん、柳次さんは2人の似顔絵を入れ、「初春のおよろこびを申し上げます」と記している。
このほか作家の平岩弓枝さんや、華道家元の池坊専永さんら、各界のそうそうたる面々の年賀状が保存されている。
橋本市では約10年前、同市柱本にあった岡潔さんの自宅が解体された際、梁や柱などを保存しており、将来、同市御幸辻の杉村公園付近に「岡潔 記念館」として復元する予定。年賀状はその展示品のひとつになりそう。
北森さんは「1967年の年賀状は、2度と書けませんし、処分したらそれでお終いです。今後も大切に保存します」と話した。
写真(上)は左から吉永さん、松山さん、舟木さんの年賀状(中)左から岡さん、平岩さん、林さんの年賀状(下)は1967年の36枚の著名人の年賀状


更新日:2012年1月17日 火曜日 01:38

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