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〝高野紙〟作りに園児ら挑戦~九度山・紙遊苑
和歌山県九度山町の町立九度山幼稚園(喜多秀行園長)の園児たちは、10月14日、同町慈尊院の紀州高野紙伝承体験資料館「紙遊苑」で、弘法大師・空海が中国から製法を伝えたとされる〝高野紙作り〟に挑戦した。松山健苑長は「昔ながらの作業体験は貴重で、きっと将来、役立つことと思います」と言っている。
挑戦したのは、年長組(5歳)の園児たち19人。同苑が水に楮(こうぞ)の繊維やトロロアオイを、棒でかき混ぜて入れた漉き舟を準備。園児たちは松山苑長らの指導で、四角い簀桁(すけた)を前後にゆすりながら、漉き舟の水をすくい上げると、簀桁には薄くて白い幕が張った。数日、天日干しして、高野紙(色紙大)ができあがる。
園児たちは、初めは、動作もぎこちなかったが、だんだん上手になり、「水がねばねば…」「すごく面白い」などと、口々に言いながら、和紙の出来上がる過程を、目を丸くして体感した。喜多園長は、簀桁を持った園児1人ひとりを、丁寧に記念撮影していた。
同幼稚園では、「秋」をテーマにした園児たちの絵画作品を、11月の九度山町文化祭に出品する予定で、今回、自分で漉いた高野紙に、クレパスや水彩を使って、柿や栗、魚など、思い思いの絵を描いてもらうことにしている。
担任教諭の東芝美由紀さんは「これまで、運動会には、ダンボールを材料に、お神輿(みこし)を作り、戦国武将・真田幸村の絵などを飾りました。この紙漉き体験と、作品を文化祭へ出品した後は、世界遺産・町石道を歩く予定です」と話し、園児らを作業を見守っていた。
更新日:2011年10月14日 金曜日 17:54