ニュース & 話題

お年寄り演歌で昔懐かしむ~介護士ビデオ披露

    お年寄りにビデオで懐かしい演歌を聴かせる日下部さん
    お年寄りにビデオで懐かしい演歌を聴かせる日下部さん
    お年寄りにビデオで懐かしい演歌を聴かせる日下部さん
    たとえば青江三奈さんのステージ
    ビデオで流れる演歌を楽しむお年寄りたち
    ビデオで流れる演歌を楽しむお年寄りたち

「お年寄りに昔懐かしい演歌を聴いてもらおう」と、和歌山県橋本市隅田町中島、特別養護老人ホーム「ひかり苑」の介護士・日下部智子さん(36)(同市城山台)は、2005年から自宅のテレビで歌番組をビデオテープ(VHS)に収録、同施設でお年寄りに披露して喜ばれている。
これはすべてプライベートタイムと、ポケットマネーを使っての奉仕活動の一つ。「ひかり苑」の上司から、研修先の東京の施設では、お年寄りにビデオで音楽を流していると教えられ、「いいことはすぐに」と、さっそく実践に移したという。
これまでの6年間、自宅のテレビで収録したビデオテープは計約60本。うち30本は何度も使ったため劣化。別に同施設の看護師・渋田光代さん(61)から、約20本を提供してもらっているので、現在、約50本を保存、使用している。
日下部さんは、同苑3階の「スイセン」担当で、ここには73歳~100歳の約20人が生活している。ビデオテープに収録されている内容は、主に1960年前後から70年ごろまでに流行(はや)った演歌の数々。歌手なら美空ひばり、田端義雄、春日八郎、北島三郎さんなど、列挙すればきりがないほどだが、中には、氷川きよしさんら若い人気歌手も、当時の歌を歌っている。
日下部さんは、当初、「遠山の金さん」「水戸黄門」「男はつらいよ」など映画シリーズを録画し、お年寄りに見てもらってきたが、どちらかというと、演歌の方が好まれるので、演歌に重点を移してきたという。
日下部さんが、プレーヤーにVHSをセットする。「昭和時代」の映像が現れる。司会者が歌手を紹介する。歌手は、それぞれ満面の笑みで、お辞儀する。バックミュージックが流れる。体がゆったりとリズムに乗り、歌いだす。独特の節回しで、歌詞をかみくだくように、歌い上げる。
すると、お年寄りは、車イスで画面に近づき、まんじりともしなくなる。ある、老婦人は、酸素マスクをつけたまま、懐かしそうに、演歌を聴き入った。「歌かとても好きです」と言った。入退院を繰り返す日々、演歌を聴き続けた。半年後に病院で亡くなったという。また、別の老婦人は、美空ひばりの歌を聴きながら、「あの頃、大阪で空襲に遭い、つらかった」と、しみじみもらした。
最近、VHSからDVDに切り替える作業に取り組んでいる日下部さんは、「お年寄りにとって、歌はとても大切であることが、よくわかります。歌が流れると、お年寄りはとても落ち着き、若かった頃を懐かしんでおられます」と説明。今後は「これまで収録した歌を、大事に保存しながら、昼の休憩時間などに流し、いい時間を過ごしていただきます」と話した。

更新日:2011年6月27日 月曜日 17:52

関連記事

ページの先頭に戻る

  • 標準
  • 大
  • RSS
  • サイトマップ

検索

過去の記事