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貴志川ホタル鑑賞楽しむ~田村橋から30人

    午後8時ごろ蛍が群れ飛ぶ貴志川の田村橋上流
    午後8時ごろ蛍が群れ飛ぶ貴志川の田村橋上流
    午後8時ごろ蛍が群れ飛ぶ貴志川の田村橋上流
    そうめん流しを味わう家族連れら
    バイキング料理を楽しむ蛍鑑賞会の参加者ら(慶風高校)
    バイキング料理を楽しむ蛍鑑賞会の参加者ら(慶風高校)

蛍一つ二つ出できし藪の闇 (水津順風)
ここは、雨季の和歌山県紀美野町田の貴志川。そこに架かる田村橋の真ん中あたりで、上流を眺めていると、昨日の大雨のせいか、流れがうねるように速い。橋上の家族連れや女性ら約30人は、「まだ、見えへんな」「蛍、いるんやろか」などと口々に言い、川を覗き込む。
田村橋から見て、上流も下流も、川沿いには山々が連なり、その風景が薄暮の中で、ずっと奥行きのある、墨絵になっている。
この日、私は、友人ら約10人のグループで、慶風高校(通信制)=田原サヨ子校長=主催の「ホタル鑑賞会」に参加。他の一行とともに、バスでJR和歌山駅前を出発、約1時間半で同校に到着した。校庭でバイキング料理や、そうめん流しを味わったり、フラダンスも見せてもらったりした後、近くの田村橋まで歩き、貴志川の蛍に会いに来たのだった。
主催者側は「きのうは、どしゃぶりの雨やったから、蛍は…。でも、大丈夫と思う」などと、気をもんでいる。橋上では蛍玉模様?のちゃめっけな衣装を身に付けた、子どもたちが、「ほーほーほーたるこい」と、はしゃいでいる。男性4人のグループは、美しい「はもり」で、コーラスを披露し、拍手が起きて、和やかな雰囲気に満ちていた。
「わあーっ、いるいる」と誰かの甲高い声。ついで、「ほんま、ほんまや」と、欄干から身を乗り出す女性たち。蛍は、田村橋のたもとの竹薮や、桜の木、草むらなどから、1つ、2つ、そして、3つと飛び出し、力づよく点滅しはじめた。
これまで、川風に吹かれていた、ただの竹薮が、一気に蛍たちの舞台となり、急にざわめきだす。蛍たちは、竹薮の闇の奥から、次々と飛んで出てくる。その小さな光が、ゆらりゆらりと浮遊するたびに、漆黒のキャンバスに、命の軌跡が描かれていく。ああ、これは文になっても、写真にはならないと思う。
「私ら、子どもの頃は、竹ぼうきをかざして、止まった蛍を、つかまえたもんよ」「昔、父が麦わらで蛍籠(ほたるかご)を作ってくれた。そこに蛍を入れた時の、仄明(ほのあ)かりが、今でも忘れられない」と、60~70代…。今と、幼い日とが、心の中で共鳴していた。
田原校長は「きのうの大雨で、心配しましたが、蛍が、期待に応えてくれました」と、ほっとした表情で、6月18日にも「ホタル鑑賞会」を開くという。

更新日:2011年6月15日 水曜日 07:48

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