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珍しい「分水戸」活用~恋野で田植え近し

    恋野地区にある全国でも珍しい分水戸
    恋野地区にある全国でも珍しい分水戸
    恋野地区にある全国でも珍しい分水戸
    代掻き、田植えを待つ恋野地区の水田
    水田の畦道に用意された恋野米の苗の束
    水田の畦道に用意された恋野米の苗の束

農業用ため池から、水田に水を引く際、水の分岐点となる全国でも珍しい「分水戸(ぶんすいこ)」が、和歌山県橋本市恋野地区にある。希少価値の高い、その分水戸を使って、今年も同地区の水田に水が張られ、6月1日には一斉に代掻きが行われ、「恋野米」の田植えが始まる。地元の似賀尾(にがお)池水利組合の、辻本賢三組合長は「分水戸の名に恥じないよう、おいしい米を作りたい」と意欲を見せている。
恋野地区は紀ノ川南側の丘陵地帯や、その周辺の田園地帯。約22ヘクタールを圃場(ほじょう)整備し、近代的な農業がしやすいようにした。分水戸は最大幅約2メートルで、計32か所にある。高台の似賀尾池から本田池や新池を通じて、池の樋(ひ)を抜いた水は水路をどんどん下へ流れる。その際、分水戸は、下流部の水田の面積に応じて、通水幅を設定してあり、自然に過不足なく、水田に水が張られる仕組み。
すでに大学教授が「県内での分水戸は恋の地区にだけ存在し、全国的にも珍しいのではないか」として調査を実施。辻本組合長は「今のところ文献がなく、詳細は不明だが、分水戸は、先祖から大切に受け継がれてきた。昔は木製だったが、今は昔と同じ構造で、コンクリート製に変わっている」と話した。
一方、同組合の話によると、同地区では、田植え時期になると、昔から先を争って水を張り、代掻きをし、田植えをしてきた。どこにでもある「早く仕事を済ませたい」という一心からだが、これでは、農家同士が親しくなれない。そこで、水利組合では2004年4月、これまでの慣習を改革し、「代掻きは5月下旬か6月上旬の水曜日に行う」ことに取り決め、それまでは水張り、畦ねりだけにとどめることに決めた。今は〝水争い〟もなくなり、さわやかな農業生活が送れているという。
今、恋野地区の水田は、すべて水が張られ、畦には青々とした苗も用意され、トラクターによる1日(水)の代掻き、2日以降の機械による田植えを待っている。辻本組合長は「台風2号(温帯低気圧)も無事に過ぎ去り、いよいよ田植え本番、家族総出でがんばります」と明るく話した。

更新日:2011年5月30日 月曜日 22:47

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